サロンのカルテやカウンセリングシートの保存期間を教えて!
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サロンではお客さまが来店したときにカルテやカウンセリングシートを作成します。
カルテやカウンセリングシートにはお客さまの大切な情報、例えば個人情報や施術履歴、体質や好みなどが記載され、サービス提供に欠かせないものとなっています。
そんな大切なカルテやカウンセリングシートですが、どのくらいの期間保存すべきなのでしょうか。法律上のルールはあるのでしょうか。
今回は、サロンのカルテやカウンセリングシートの保存期間について詳しく説明することにしましょう。
これからサロンを開業しようと思っている方はぜひ参考にしてください。
サロンのカルテやカウンセリングシートには何が記載されているの?
サロンが作成するカルテやカウンセリングシートにはどのようなことが記載されているのでしょうか。
各サロンによっても変わることではありますが、ここではどのサロンでも共通する基本的な記載内容を挙げてみましょう。
お客さまの個人情報
サロンが作成するカルテやカウンセリングシートにはお客さまの個人情報が記載されます。
名前・住所・連絡先電話番号・年齢などの情報です。お客さまを確認する際に必要な情報になるほか、ダイレクトメールやキャンペーン情報を送る際に使うこともあります。
来店理由
お客さまがサロンを利用するのは何らかの理由があってのことです。具体的な理由がなく、なんとなくというのも理由の一種です、
サロンのカルテやカウンセリングシートにはそのような来店理由を記載します。
どのような悩みがあってサロンを訪れたのか、どうしてうちのサロンを選んだのか、どうして欲しいのかなど、お客さまごとの状況を記入するのです。
サロンと言ってもいろいろな種類があるので、来店理由も多岐に及ぶでしょうが、各サロンでは来店理由に基づいたサービスを提供するようにします。
体質と健康状態
お客さまごとに体質と健康状態は異なります。サロンが施術を行う、サービスを提供する場合は、お客さまの体質と健康状態を把握しておかないといけないので、カウンセリングでヒアリングをして、カルテやカウンセリングシートに記載します。
記載内容としては、エステサロンの場合は肌の状態など、リラクサロンの場合は気になる体の部位、体質、病歴などを聞くこともあるでしょう。ヘアサロンでは髪質や頭皮の状態を確かめます。
お客さまの体質や健康状態によっては適さない施術もあるので、必ず事前にチェックして、カルテやカウンセリングシートに記入するのです。
サロンの利用経験
サロンの利用経験といった場合は自社サロンだけではなく、他社サロンの利用経験もカルテやカウンセリングシートに記載することがあります。
前に利用していたサロンでの施術に不満なところはなかったか、施術を受けて良かった点、問題が生じた点などをヒアリングして、自社サロンでの施術に活かすのです。
ライフスタイル
サロンでの施術が効果を発揮するかはお客さまのライフスタイルとも関係する部分です。
そのため、可能ならお客さまに伺って、ライフスタイル状況を確かめて、カルテやカウンセリングシートに記載します。
どの程度記入できるかはヒアリング次第ですが、今後の施術のためにも重要な情報になります。
サロンのカルテやカウンセリングシートの種類
サロンのカルテやカウンセリングシートにどのような種類があるのかを紹介しましょう。
主に紙によるものと電子データによるものがあります。それぞれの特徴を見てみましょう。
紙のカルテやカウンセリングシート
お客さまに紙のカルテやカウンセリングシートに情報を記載してもらい、サロンスタッフが必要事項を加味したものをそのまま保存することがあります。ファイリングにして残すことになります。
紙管理のメリット
紙のカルテやカウンセリングシートを管理するメリットはまず低コストなこと。必要なのは紙代とペン代と印刷代くらい。
それほど費用がかかるわけではありません。
次に書き込みがしやすいこと。紙には何でも書き込みがしやすく、さっとそのとき気になったことも記入できます。
パソコンのようにいちいち開いて起動させる必要はありません。
紙管理のデメリット
紙のカルテやカウンセリングシートは保存方法が大変です。
お客さまの数が増えればファイルも増え、保存場所の確保が難しくなります。
そのように増えたファイルの中から、必要な情報を取り出すのも一苦労です。
書き込む文字が汚くなってしまうことがあるのも紙管理のデメリットです。
読みにくい字で書き込む人もいるので、後で判読するのが難しくなる場合があります。
共有ができないのも紙データ。誰かが使っているときは、他の人は閲覧もできません。
電子データのように別々の人が同時に使うというわけにはいかないのです。
サロンでは来店したお客さまのデータを分析して、今後の施策に活かすことがありますが、紙のカルテやカウンセリングシートではその分析が思うようにできません。
1枚1枚引っ張り出して、データを比較し合うというわけにも行かないでしょう。
電子カルテやカウンセリングシート
お客さまやサロンスタッフが記入した情報を元に、スキャナーなどで読み取って電子データ化して保存することがあります。
電子カルテや電子カウンセリングシートです。
紙のデータを電子化する以外に、お客さまに直接タブレットやスマートフォンに情報を記入してもらう方法もあります。
あるいは、自宅のパソコンから入力するか。
こちらの方法は紙を経由しないだけに、とても便利です。サロン側にとっても必要な情報を簡単に収集できます。
中には写真を撮って保存できるタイプもあるので、お客さま情報と紐付けることでサービス提供もしやすくなるでしょう。
電子管理のメリット
電子カルテやカウンセリングシートを管理するメリットは、まず保存場所が必要ないことです。
パソコンなどの容量の範囲内なら、いくらでも保存ができます。容量が足りなくなれば、増やすことも可能です。
次に電子カルテやカウンセリングシートを提供しているサービスでは、付随する様々な機能も用意しています。
次のような機能が搭載されていることもあります。
- 予約管理
- 予約受付フォーム作成
- 契約管理
- 自動メール配信
- LINE連携
- 商品販売記録
- 退勤管理
- 売上集計
- 決済、レジ機能
- 会計管理
電子カルテやカウンセリングシートの管理以外の機能も使えれば、サロン運営の役に立つことも多くなり、より充実したサービスも提供できるようになるでしょう。
共有がしやすいのも電子カルテやカウンセリングシート。特にクラウド上に保存するタイプなら、複数人での利用、複数店舗での利用にも支障がありません。各スタッフにIDとパスワードを教えるだけで共有ができます。
マルチデバイスで使えるタイプがあるのも電子カルテやカウンセリングシートのメリットです。
パソコンはもちろん、タブレットやスマートフォンでも確認ができるようになり、店内にいるときはもちろん、外出先、出張先、あるいは家庭にいるときでもデータの閲覧ができます。
電子カルテやカウンセリングシートにお客様の情報を記入する際は紙に記入するときよりもヒューマンエラーが起きにくいと言われています。
全く起きないというわけではありませんが、記入忘れ、誤字脱字、判別しにくい文字での記入などは防ぎやすいです。
電子管理のデメリット
電子カルテやカウンセリングシートを管理するデメリットは管理費用がかかることです。
紙のカルテやカウンセリングシートのようなわけにはいかず、導入費用、運営費用などが必要です。
読み取るためのデバイスも用意しないといけませんが、新たに導入するとなると費用も高くなります。
次に、電子カルテやカウンセリングシートを十分に使いこなせない場合があります。
電子カルテやカウンセリングシートの利用では、パソコンやタブレット、スマートフォンなどのデバイスを使いますが、操作に慣れていないと、扱いに苦労することもあるでしょう。
インターネット環境に左右されるのも電子カルテやカウンセリングシートです。
クラウド上に保存するタイプの場合、インターネットが通じていないと使えません。Wi-Fiトラブル、通信障害などが起きれば、使えなくなるので、お客さまにも迷惑がかかり、サロン側でも対応に苦慮します。
情報漏洩リスクがあるもの電子カルテやカウンセリングシート。クラウド上に保存するタイプだと、第三者が情報を取得して、悪用する恐れもあります。
サロンのカルテやカウンセリングシートの保存期間はどれくらい?
お客さまの大切なデータを記録するカルテやカウンセリングシートですが、どのくらいの期間保存しておけばいいのでしょうか。
お医者さんのカルテのように保存期間が決まっているのでしょうか。
これは施術やサービス内容でも異なることです。詳しい状況を見てみましょう。
医療行為を伴う施術を行う場合
サロンによっては、医療行為を伴う施術やサービスを行う場合があります。
この場合のカルテなどの診療録は完結日から5年間保存するように義務づけられています。
診療録とは医師が患者の診療内容、経過などを記載した記録のこと。
サロンのスタッフが医師でなくても、医療行為を行えば、診療録を5年間保存しておかないといけません。
診療録は施術証明を求められたときや医療過誤の調査をする際にとても重要な書類になるので、必ず保存期間を守る必要があります。
なお、日本医師会が策定した「医師の職業倫理指針(第3版)」によると、診療録は電子化が進むのに合わせて永久保存すべきとされています。
確かに電子データとしての保存なら永久保存も可能でしょう。
医療行為を行わない場合
サロンで行われる施術が医療行為と関係ない場合は、カルテやカウンセリングシートの保存期間の取り決めはありません。
法律上のルールはないのです。
そのため、どのくらいの期間カルテやカウンセリングシートを保存すべきかは各サロンの裁量に任されています。
なお、法人として運営しているサロンの場合、法人税法により契約書を7年間保存しなければいけません。
カルテやカウンセリングシートについての規則はないものの、法人の場合は契約書同様7年間保存しておく方がいいでしょう。
サロンがカルテやカウンセリングシートを保存する意味
サロンでは、どうしてカルテやカウンセリングシートを保存するのでしょうか。その意味を考えてみましょう。
顧客情報を効率よく管理するため
一度来店したお客さまの情報はしっかり保存し、次回以降の施術に活かさなければいけません。
毎回毎回お客さまが来店するたびに細かな情報を聞き出すというのでは、お客さまもサロン側も大変で、面倒になります。
そこでカルテやカウンセリングシートを保存し、顧客情報を効率よく管理し、役立てるのです。
又、来店のたびにお客さまが感じることもあるでしょう。
施術の効果、感想、気になる点など。そのような情報を追記し、さらなるサービスの充実に活用することもできます。
サロンにとってお客さまはなによりも大切な存在です。来店したお客さまの情報をしっかり管理し、お互いの信頼関係も高め、何度も利用していただける環境作りをしないといけません。
税務調査で必要になることがある
サロンのカルテやカウンセリングシートはお客さまのためだけではなく、サロンが税務調査を受ける際に必要になることがあります。
税務署から問い合わせがあったとき、取引の事実を証明する書類の提示が求められたときなどにカルテやカウンセリングシートを利用できるので、しっかり保存しておきましょう。
顧客のフォローに使える
サロンが作成するカルテやカウンセリングシートを顧客のフォローに使うことができるので、保存する必要があります。
サロンを利用したことがあるお客さまの中には、利用したこと自体を忘れてしまっている方もいます。
そのようなお客さまに対して、保存しておいたカルテやカウンセリングシートの情報を元に様子を尋ねたり、お誘いをするメールを送ったりもできます。
しばらく来店していないお客さまのカルテやカウンセリングシートにも活用方法はあるのです。
又、普段サロンを利用しているお客さまに対しては、カルテやカウンセリングシートに記載された情報から割引クーポンやキャンペーン情報を送ることもできるでしょう。
カルテやカウンセリングシートは施術を行う上でも大事な情報になりますが、おすすめサービス提供を提案する際にも役立つので、一定期間は保存しておきたいものです。
保存期間を過ぎたカルテやカウンセリングシートの処分方法は?
カルテやカウンセリングシートは一定の保存期間が過ぎたら処分する必要がありますが、どのように処分すべきかご存じでしょうか。
ご存じのサロンもあるでしょうが、知らない方のための処分方法を解説します。
紙データの場合
紙のカルテやカウンセリングシートにはお客さまの大事な情報が直接記載されているので、処分する際は注意が必要です。
もし処分の仕方を間違い、カルテやカウンセリングシート情報が流出した際はお客さまのプライバシーに関わる問題にもなり。後で大きな問題が発生することがあります。
そこでどのように処分したらいいかですが、普通紙のカルテやカウンセリングシートはシュレッダーで細かく裁断してから処分します。燃えるゴミの日にそのまま出すというのは論外です。
シュレッダーで裁断した後に企業ゴミとして出しましょう。
もう一つの方法はカルテやカウンセリングシート破棄の専門業者に依頼することです。「機密文書の破棄」というキーワードでネット検索してみてください。いくつか具体的な方法とおすすめのサービスが表示されるはずです。
そのようなサービス提供をしている業者に紙のカルテやカウンセリングシートの処分を頼めるのですが、注意したいのは業者がプライバシーマークを保有しているか。
プライバシーマークは個人情報の取り扱いが適切で、基準に適合している業者に付与されるので、カルテやカウンセリングシートの処分を依頼するときは必ず取得状況を確認してください。
電子データの場合
電子カルテやカウンセリングシートのデータ処分方法は少し難しいです。ゴミ箱に棄てるだけでは、完全消去にはなりません。
データ削除やフォーマットや初期化を行っても、データは残っていている場合があり、復旧させようと思えばできます。
ではどのような方法があるかというと、専用のデータ消去ソフトを利用する、磁気消去をする、あるいは業者に依頼するなどです。
ただ、データ消去ソフトを使って自分で消去する方法では確実性に欠け、完全消去ができないケースがあります。
専門業者に電子カルテやカウンセリングシートデータの消去を依頼すれば、確実性も高く、データ消去証明書が発行されるなどのメリットがあります。
ただ、問題なのはどの業者を選ぶかです。選ぶ際は採用されているセキュリティ方法、消去方法、見積内容などを確認してからにしましょう。
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