部下を連れて独立は裏切り行為？損害賠償のリスクや逆にメリットを解説

タダ子

部下を連れて独立は裏切り行為なの！？

タダリザーブ

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独立して自分の会社やお店を持つ、そんな夢を抱き、実現させようと思っている方もいるでしょう。

ただ、独立ともなると、課題も多くなります。

その課題の1つがいかに優秀な人材を確保するか？

そのような課題の解決策として、前職の職場から部下を連れてくることがあります。

でも、これは構わないのでしょうか？

構わないとしたら、そのリスクとメリットはどういうことになるでしょうか？

今回は、この辺の問題について考察します。

独立するときに部下を連れてきても構わないの？

独立するときの人材確保手段として、前職場の部下を連れてきても構わないのでしょうか？

確認してみましょう。

在職中から部下を引き抜くのは×

部下を連れて独立するという場合、前職に在職中から部下を引き抜こうとするかもしれませんが、これは×、違法行為なのです。

数々の判例がその根拠になっています。

理由は、在職中は使用者に対して利益を不当に侵害する行為を行ってはいけないからです。

独立する従業員が部下を連れて行くとなると、前職場はかなりのダメージを負います。

利益を侵害されることになり、損害賠償責任を追及できるのです。

そのため、在職中から部下を連れて独立するといった具体的な行動を起こさないようにしましょう。

退職後は構わないが⋯

在職中は使用者に対して守らなければいけない義務があるので、部下を連れて行くような行為はできません。

しかし、退職後はそのような義務から解放されることから、部下の引き抜き行為は許されています。

ただし、完全に無制限にできるわけではありません。

まず、前の会社との間で退職時の引き抜き行為禁止で合意している場合は、その合意内容を破ることは×。

勝手に独立者の側で合意を破れば、違法となります。

次に、社会通念における自由競争の原理の問題もあります。

部下を連れて独立する場合、前職場のスタッフを一斉退職させて、会社の機能を存続させられないようにする行為、これは上記原理を逸脱したものとして、違法になる場合もあるのです。

部下を連れて独立する際のリスク

部下を連れて独立することが可能な場合と不可の場合がありますが、仮に可能だとしてもリスクを無視することはできません。

実際にどのようなリスクがあるのか、いくつか気になる点を取り上げてみましょう。

法的リスクがある

前職場の部下を連れて独立すると、法的なリスクに直面する恐れがあります。

法的リスクとは、訴訟リスクのこと。

前の会社として、大切なスタッフを連れて行かれることは大きな損失になり、場合によっては業務遂行の妨げになることもあります。

そうなると、ただ黙ってスタッフが引き抜かれるのを座視しているわけにもいかないでしょう。

裁判を起こして、なんとしてでもスタッフを取り戻すべく努力するはずです。

また、スタッフの引き抜きによって生じた損害に対する賠償も求めたくなるでしょう。

独立する方としては、最初からそのような裁判に巻き込まれると、ビジネスの展開に大きな悪影響を及ぼします。

スタート時点から難題を抱えることにもなり、悩みも大きくなります。

それだけに、独立する際に前職場から部下を連れてきて大丈夫なのかどうか、慎重に検討しなければいけません。

信頼関係を喪失することにもなる

前職場から部下を連れて独立すると、前の会社との信頼関係喪失に繋がりやすいです。

スタッフを引き抜かれた会社は面白くありません。

損害を与えられたことで、怒りも募るでしょう。

そうなると、独立後の会社は前の会社との取引ができなくなりますね。

独立する場合、最初の頃は取引先を探すのに苦労することもあり、前の会社との関係が大きな財産になることがあります。

独立を応援してくれる会社もあります。

しかし、部下を連れての独立、それも前の会社に損害を与えるような形になっていると、もうその会社を当てにはできなくなるでしょう。

評判が低下することにも

前職場から部下を連れて独立することで、独立会社オーナーの評判が低下することになるかもしれません。

まず、前の会社の雇用主や同僚からすると、そのような行為を裏切り行為と見なすことがあります。

業界内でも評判が下がることもあるでしょう。

そうなると、新たなビジネス開拓や取引先との関係構築にマイナスに作用することもあります。

連れてきた部下との信頼関係が崩れるリスクもある

独立する際に部下を連れてくる場合、部下も新しい会社での仕事に希望を膨らませていることでしょう。

ところが、その希望に応えられない場合はどうでしょうか？

具体的なビジョンや方向性が示されていない会社だった、前の会社と異なる環境での業務が思うように進まなかった、新たな経営方針に順応できなかったなどのケースがあるかもしれません。

そうなると、独立オーナーについていったのは失敗だったかなと悔やむことにもなるでしょう。

その結果、お互いの信頼関係も崩れやすくなります。

部下を連れて独立する場合のメリット

部下を連れて独立することには様々なリスクがありますが、メリットはないのでしょうか？

もちろんあります。

いくつか具体的なメリットを挙げてみましょう。

即戦力として働いてもらえる

前職場から連れてきた部下は、独立会社で即戦力として働いてもらえます。

同じ職場で仕事をしてきた同志ということもあり、そのような部下はスキルや知識も確かで、業務プロセスにも通じているはずです。

ある会社から独立するときは、全く関連のない会社を興すことはないでしょうから、前職場で経験を積んでいた部下は頼もしい存在です。

仕事をする上でも何かと頼りになるでしょう。

新規採用の手間やコストを省ける場合も

独立する際、前職場の部下を連れてこられれば、優秀な人材確保ができます。

そのような部下が多くなると、新規採用をする手間やコストを大幅に削減できるでしょう。

全く新規採用しないというのでなくても、新規採用人数を減らせるので、独立会社の負担を軽減できます。

既存チームの連携をそのまま活かせる

前の会社の部下とはすでにチームを組んでいたこともあるでしょう。

その既存チームを独立後にそのまま活かせる場合もあります。

新規独立した会社で、新たな人材の元、新たなチームを構成するのは大変なケースもあります。

既存チーム構成をそのまま活用できれば、業務遂行もしやすくなるでしょう。

業務開始までの期間を短くできる

前職場の部下を連れて独立する場合、その部下は新会社での業務に対応しやすいです。

業務プロセスにも通じているでしょうし、豊富な経験と知識も有しているはずです。

そうなると、独立会社が新規業務を開始するときの期間を短くすることができます。

勝手知った部下は、業務の遂行もうまくできるので、様々な面でスムーズに推し進めることができるでしょう。

新規採用者に新規業務を行わせようと思うと、教育や研修などの期間も必要になり、何かと手間もかかりますが、前職場の部下への教育は最小限で済みます。

前の会社のクオリティを引き継げる

部下を連れて独立する場合、前職場のクオリティをそのまま引き継げます。

サービス業なら顧客対応へのクオリティ、製造業なら生産性のクオリティといったところです。

すでに高度なクオリティで仕事をしていた部下なら、独立会社でもそのクオリティをキープしながら業務を行ってくれるでしょう。

顧客関係が継続しやすい

前職場の部下なら、すでに一定の顧客関係を築いているはずです。

お客さまとの信頼関係も確保しているので、独立会社でもその顧客関係を継続できます。

前の会社から顧客リストを勝手に持ち出すことはできませんが、部下が築いた顧客関係は棄てがたい魅力です。

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