回数券・コース契約したサロンが倒産した場合の返金はしてもらえる?

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回数券・コース契約したサロンが倒産した場合の返金はしてもらえる?


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サロンでは通常、一度の施術では完了しないことが多いため、コース契約や回数券などを事前にまとめて購入するケースが多くなっています。

ただ、このコース契約の途中や回数券が残った状態であっても、そのサロンが倒産してしまうケースが増えています。

この場合、多くのケースではすでに支払ったお金は返金されないことがあり、社会問題となっています。

ここでは、サロンが倒産した場合の返金についてや、その対策について解説します。

サロンが倒産した場合には返金される?

サロンに支払い済みのお金の返金については、その可能性は条件によって異なります。

まず、現金で支払っていた場合は、返金を受けるのは非常に難しいのが現状です。

これは、サロンの倒産手続きにおいて、顧客は一般債権者として扱われ、優先順位が低いため、ほとんどの場合は返金されません。

一方、クレジットカードで支払っていた場合は、カード会社を通じて返金請求ができる可能性があります。

この場合、契約書や領収書などの支払い証明書を提出する必要があります。

また、契約内容によっても返金されるかどうかは異なります。

もし、契約書に返金ポリシーや倒産時の対応について明確な記載がない場合、返金が難航することがあります。

特に「ノーリファンド」条項がある場合、返金を求めることができない可能性が高いでしょう。

実際に、サロンが破産手続きに入ると、未施術分の料金に対する返金はほぼ期待できません。

破産管財人が選任され、サロンに残っている資産は他の債権者に優先的に分配されるため、顧客にはほとんど何も戻らないことが多いのが現状です。

 

ノーリファンドとは?

先程紹介した「ノーリファンド」の概要について説明します。

ノーリファンド(No Refund)とは、購入した商品やサービスに対して返金が行われないことを示す用語です。

このポリシーは、特にホテルの予約や特定の商品の販売において一般的に使用されています。

ノーリファンドの料金プランでは、キャンセルを行っても支払った金額が返金されないため、事前に日程や購入内容を確定させる必要があります。

ただし、返金不可である代わりに、通常の料金プランよりも安く設定されていることが多く、確実に利用する予定がある場合にはコストを抑えることができます。

企業にとっては、ノーリファンドポリシーを採用することで、詐欺のリスクを減少させることができ、売上の安定性を高める効果があります。

そのため、もしサロンとの契約にノーリファンドが含まれている場合は、返金されることはありません。

 

サロンが倒産した場合にできる対策とは?

では、サロンが倒産した場合に、どのような対策がとれるでしょうか。

サロンが倒産した場合に返金される可能性は非常に低いのですが、以下の対策を講じることで損失を最小限に抑えることができます。

 

契約内容の確認

まず、サロンとの契約書を確認し、返金ポリシーや倒産時の対応についての記載をチェックしましょう。

特に、前受金の保全に関する条項があるかどうかが重要なポイントです。

 

破産管財人への債権届の提出

倒産手続きが開始されると、破産管財人が選任されます。

顧客は「債権届」を破産管財人に提出し、配当を受ける権利を主張することができますが、一般債権者としての扱いになるため、返金が期待できるケースは少ないのが一般的です。

 

クレジットカード会社への連絡

クレジットカードで支払いを行っている場合は、カード会社に連絡することで支払いの停止を求めることができます。

これは「支払停止の抗弁権」として知られていて、今後の請求を止めることが可能です。

 

消費生活センターへの相談

倒産したサロンに関する問題が発生した場合、消費生活センターに相談することで、今後の対応や救済策についての情報を得ることができます。

 

救済プランの利用

一部のサロンでは、倒産したクリニックの顧客向けに救済プランを提供している場合があります。

これには、未施術分の施術を他のサロンで受けられるプランや、支払済み金額の一部をポイント還元するプランなどがあります。

ただし、これらのプランを利用するには、契約書類の保管が必要です。

 

サロンが倒産した際の対処法の詳細

では、ここからはサロンが倒産した際にとれる対処法の詳細について解説します。

自身のケースに該当するものを確認してみてください。

 

サロンに返金の請求をする

サロンにお金を支払っているのに施術されていないものがある場合は、契約を解除することで返金請求することができます。

ただし、返金請求した場合でも拒否される場合があるため注意が必要です。

また、部分的には返金されるが全額の返金はされないというケースもあります。

一般的にサロンとの契約は「特定商取引法」という法律に則っています。

この特定商取引法においては、「有償の期間・回数を超えた後の中途解約(返金)はできない」というルールがあります。

つまり、途中までは有償の契約、その後は無償の契約という扱いになっていて、有償の契約が終了しているため返金しないという言い分です。

ただし、サロン側が返金しないという主張には、法的に認められていないものが存在するケースもあります。

サロン側が主張している無償の契約については、法的には有償と違いがなく、顧客側にもそのように認識されているような契約である場合です。

そのため、返金の際にトラブルが発生した場合は、消費生活センターや法律事務所へ相談しましょう。

 

返金されても自己負担額が発生するケースもある

サロンとの契約を解除することで返金が受けられるケースが存在しますが、それでも自己負担額が発生するケースもあります。

これは、特定商取引法上で「違約金」として設定されている場合です。

コース契約などの複数回の施術の契約をした場合は、解約を申請したタイミングによって、この自己負担額が変わることがあります。

 

返金されないケースがある

経営に問題がないサロンの場合は、契約解除をすることで返金を受けることができますが、サロンが倒産したような場合は、契約解除をしても返金されないことがあります。

これは、破産宣告したタイミングで残っている財産を、すべての債権者に均等に分配することになるため、この分配のためのお金がない場合は返金されません。

そのため、多くのケースにおいては、サロンが倒産した場合はまったく返金されないか、返金されてもわずかな額になってしまいます。

 

クレジットカード会社に支払い停止請求をする

サロンとの契約時に現金ではなく、クレジットカードを利用して分割で支払うケースもあります。

この場合は、サロンの倒産によって残りの施術が受けられないのであれば、クレジットカード会社に支払いの停止を請求しましょう。

条件を満たす必要がありますが、クレジットカードの支払いが停止される場合があります。

ただし、以下のケースではクレジットカードの支払いは停止されないため注意しましょう。

・割賦販売法が適用されないケース(翌月1回払いなど)
・リボ払いを利用していて、1回の利用金額が38,000円未満の場合
・これ以外で1回の支払金額が40,000円未満の場合
・サロンとの契約が営業として締結していた場合

上記に該当しない場合は、速やかにクレジットカード会社に支払い停止を請求しましょう。

この際には、「支払停止等のお申出の内容に関する書面」という書面に必要事項を記入し、クレジットカード会社指定の場所に送付する必要があります。

また、送付する前には、コピーをとって保管しておきましょう。

 

クレジットカード会社に返金を請求する

支払い済みの施術が受けられない場合は、その支払い済みの代金をクレジットカード会社から返金してもらえるケースもあります。

サロンが倒産するなど、連絡が取れないなどの理由で返金が難しい場合は、クレジットカード会社から返金をしてもらいましょう。

ただし、双方から二重に返金はされないため、サロンと連絡が取れる場合は、サロンを含めて返金の協議が必要になります。

この返金については、クレジットカード会社の判断によるため、対応が異なるケースがあるため注意しましょう。

 

法律相談をする

ここまでいくつかのケースについて解説しましたが、自身のケースがどれに該当するかわからないこともあるでしょう。

また、どのように対応すればいいかよくわからないケースも多いと思います。

このような場合は、専門家への相談をおすすめします。

相談場所としては、以下のものがあります。

 

消費者ホットライン

消費者ホットラインは、都道府県にある消費生活センターにつながる電話です。(局番なしの188で利用できます)

この消費生活センターでは、店舗でのサービスに対するクレームや消費者からの相談を受け付けるサービスで、相談は無料で利用できます。(通話料金の負担は必要)

 

弁護士

法的な措置が必要な場合は、弁護士と相談するといいでしょう。

弁護士と相談することで、アドバイスだけでなく返金交渉をしてもらうことができます。

ただし、サロンの倒産等の場合は直接返金されることがないため、弁護士に依頼してもできることは制限されます。

サロンの倒産の場合は、破産手続きでの債権者として配当が受けられれば返金されることになります。

ただし、一般的にはこの返金は少額になることから、弁護士に依頼すると弁護士費用等でマイナスになるかもしれません。

 

別のサロンで施術を受ける

サロンが倒産した場合は、施術されていない部分について返金されることが理想ですが、返金よりも施術を受けることを優先したい場合もあります。

これは、たとえ全額返金された場合でも、本来希望していた施術が受けられないためです。

施術を優先したい場合は、別のサロンでの施術を受けるという方法もあります。

サロンによっては、他のサロンが倒産した際に利用できる救済プランが用意されている場合があります。

このプランを利用することで施術を継続することが可能です。

追加で費用を負担する必要があるかもしれませんが、返金されず施術も受けられないよりはいいかもしれません。

 

クレジットカード会社への返金手続きについて

条件によっては、クレジットカード会社から返金を受けることができます。

ここでは、この返金までの手続きについて解説します。

 

サロンへの返金の申請

クレジットカード会社に返金申請をする前に、まずはサロンに対して返金請求をしましょう。

ただし、サロンが倒産している場合では、返金請求は受け付けられない可能性があります。

 

クレジットカード会社への返金の申請

サロンへの返金請求ができない場合は、クレジットカード会社に返金を申請します。

通常は、利用した商品やサービスに問題があったり、提供元が承認すれば返金が受け付けられます。

この後は、提供元からクレジットカード会社に返金処理がされ、クレジットカード会社からの返金という流れになります。

ただし、サロンが倒産しているケースでは、サロン側からクレジットカード会社への返金処理がされない可能性が高いため、返金処理が遅れる可能性があります。

 

クレジットカード会社から返金を受ける際の注意点

クレジットカード会社から返金を受ける場合には、いくつかの注意点があります。

まず、クレジットカードでの購入に対する返金は、基本的に現金ではなく、カードの利用明細に反映される形で行われます。

また、返金された場合は、購入した際に獲得したポイントは取り消しになるのが一般的です。

基本的に、クレジットカード会社の返金処理はクレジットカード会社と店舗側でのやり取りになるため、直接何かをする必要はありませんが、手続きの流れは確認しておくといいでしょう。

 

サロンの倒産が増加している理由とは?

近年では、美容業界、特にサロンにおいて倒産が増加しています。

2023年度のデータによると、エステティック業界での倒産件数が95件に達し、前年の1.7倍に増加しています。

これには、いくつかの原因が考えられます。

 

競争の激化

近年、サロン業界は新規参入が増加しており、価格競争が激化しています。

たとえば、接骨院や整体院が脱毛サービスを提供するようになるなど、既存のサロンとの競争が厳しくなっています。

そのため、顧客獲得が難しくなり、売上が減少するという悪循環に陥っています。

 

顧客ニーズの変化

近年では、消費者の価格志向が強まり、サロンでの高額なプランを避ける傾向が見られます。

また、新型コロナウイルスの影響でセルフケアをするケースが増えるなど、顧客の選択肢が広がっています。

結果として、サロンの売上減少につながっています。

 

コストの増加

サロンでのコストが増加していることも原因のひとつです。

特に、広告宣伝費や店舗運営にかかる固定費が増加している傾向があります。

都心部の場合は、店舗運営でテナント料が高いため経営を圧迫しています。

また、人件費の高騰など、エステティシャンの確保や育成にもコストがかかるのも要因です。

 

経営計画の不備

多くのサロンが明確な経営計画を持たず、収支管理が不十分な状態です。

そのため、資金繰りが悪化し、倒産に至るケースが多く見られます。

 

集客の失敗

集客がうまくいかず新規顧客を獲得できないと、サロンの存続に大きな影響を与えます。

たとえば、集客戦略が不十分であったり、顧客のリピート率が低下することが、経営を困難にしています。

 

近年の大手サロンの倒産事例

最後に、近年あった大手サロンの倒産事例をいくつか紹介します。

 

エターナルラビリンス

脱毛サロン「エターナルラビリンス」(通称エタラビ)は、2017年4月に破産手続きを開始し、多くの顧客に影響を及ぼしました。

この倒産は、エステ業界における大規模なトラブルとして注目を集めました。

エタラビを運営していた株式会社グロワール・ブリエ東京は、負債総額が約97億7225万円に達し、約9万人の会員が影響を受ける事態となりました。

倒産の背景には、消費者庁からの業務停止命令や、広告の不適切な表示、解約金の不当な遅延などがありました。

これにより顧客からの解約が急増し、経営が困難になったとされています。

エタラビの倒産後、事業を引き継いだミュゼプラチナムが、エタラビの顧客に対して一定の救済措置を提供しました。

具体的には、エタラビの顧客がミュゼで施術を受ける際に、定価の35%の価格でサービスを受けられるというものでした。

 

銀座カラー

脱毛サロン「銀座カラー」を運営する株式会社エム・シーネットワークスジャパンは、2023年12月15日に東京地方裁判所に破産手続きの開始を申し立て、同日付で破産手続開始決定を受けました。

この倒産により、全国に展開していた全47店舗が営業を停止し、約10万人の顧客が影響を受ける事態となりました。

主な理由としては、新型コロナウイルスの影響で業績が悪化し、店舗の閉鎖や経営の見直しを余儀なくされたことにあります。

2023年4月期の売上高は約45億円にまで落ち込み、経営が困難な状況に陥りました。

 

アリシアクリニック

医療脱毛大手の「アリシアクリニック」は、2024年12月10日に東京地方裁判所に破産手続きの開始を申し立て、同日付で破産手続開始決定を受けました。

この倒産により、全国に展開していた全43店舗が営業を停止し、約9万人の顧客が影響を受ける事態となりました。

アリシアクリニックを運営する医療法人社団美実会と一般社団法人八桜会は、負債総額が約124億円に達し、債権者数は約9万2000人に上ります。

倒産の原因としては、コロナ禍による業績悪化や、競争の激化が挙げられています。

特に、広告宣伝費がかさみ、顧客獲得が難しくなったことが経営を圧迫しました。

 

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堀田 直義

堀田 直義

株式会社じむやの代表取締役。ドライヘッドスパ専門店ヘッドミント25店舗展開。X(旧Twitter)で「堀田直義」で検索!

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